教える側になってみると

  • 夫が、親戚の女の子が所属する小学校の吹奏楽部を指導することになり、私も一緒に着いて行った。夫は前半を入部したばかりの4年生の金管パートを見て、後半は5・6年生の合奏の練習へ。私も一応「先生」として4年生のフルートパートの4人の女の子たちを見ることに。
  • 正式入部して2週間の彼女たち、音を出すのが楽しくて楽しくてたまらない様子で「キラキラ星」や「ちょうちょ」のメロディを練習中。指づかいはしっかりできてる。ただ、息がなかなか続かなくて、途切れ途切れになってしまっていて、音が小さい。
  • 「やっぱりロングトーンを基礎にやらねば」と、1つの音を長く出す練習をやってみたけど、うまくできないからか、すぐに飽きてしまう様子。また、クラリネットやサックスなど、同じ部屋で練習している他の木管楽器が早くも指を早く動かす練習をしているので、どうしてもそちらに気がとられてしまう様子。どうしても「美しい音」より、「カッコいい」方に意識が行くその気持ちは、よーくわかる。でも基礎練習こそが大切ということもわかってほしいなあー。
  • 一斉練習に飽きてきた様子だったので、「じゃあ、自由に吹いてみていいよ」と言ったら、1人の女の子が、「じゃあ、これの下のパートをやってください」とリクエスト。テキストを見ると「かっこう」の二重奏。テキストには「下のパートは先生か先輩に吹いてもらいましょう」と書いてあるけど、先生はいないし、先輩は別練習だもんね。「いいよ」と応えたら、他の子も「私も」「私も」と次々手があがり、順番に二重奏。初めて奏でた「アンサンブル」に満足そうな笑顔が私もうれしかった。そういえば、私もレッスンで初めて先生と二重奏したとき、1人で吹いているのとは全然違う音の響きに感激したなー。
  • 4人の中にはとても筋がよくて無駄な息が少ない良い音が出せている子もいれば、姿勢がくずれてしまっていて音が出しにそうな子もいる。音が裏返ってても構わず勢いで吹いている子、テキストでわかりにくいところを私に訊いて確認しながら新しい課題にチャレンジしている子。それぞれ個性に同時に向き合っていくのはなかなか難しい。
  • 「お腹を意識して音を出してみよう」「もっと息をそっと、大事に出しながら吹いてみようね」って、私が口にしているところを見たら、私の先生はひっくりかえってしまうかもしれない。私のクセを根気強く治そうとしてくれている先生には改めて感謝。
  • 夫は久しぶりに指導者に戻り、「全体的に基礎の練習が足りなさ過ぎる」と辛口コメントしつつ、「やっぱり合奏の指揮はおもろいわー」と楽しんでいた様子。もしまた次があるならまたぜひ行ってみたい。