「剣岳 点の記」(2回目)

  • 映画の日で1,000円で見られるので、行ってきた。1回目は映像に圧倒されたけど、今回は原作を読み直し、ストーリーや細かいところを追いかけることに。
  • 一番印象に強く残っているのは、主人公・柴崎のリーダーとしての資質に魅せられたこと。以下、このチームが苦難を乗り越えられる原動力となったポイントとして思いついたものを記録。
    • 何のために山に登るのか目的が明確で、それを人夫も含め全員に浸透させたこと。人夫たちはなぜ自分が重い荷物を背負って山に登らなければいけないかをしっかり理解したので不満が生まれなかった。
    • 上からの理不尽な命令は自分の胸に留め、冷静かつ堅実に計画を立案、遂行。
    • 自分を特別扱いしない、させない。テントでみんなで一緒に雑魚寝。
    • 案内人の仕事に全幅の信頼を置いている。部下が道を見失ったのではないかと疑った際にはたしなめている。
    • 人夫たちへの感謝と配慮を忘れない。大変な仕事の後、「少ないけど、みんなで食べてください」と缶詰をプレゼント。
    • 若手の測夫(生田信)に成長の機会を与えることも忘れていない。
    • 自分の判断が誤っていたときは素直に認め、頭を下げて謝罪。
  • 山のことを良く知っていて勘もありながら、常に謙虚で従順な案内人の宇治長次郎も、参謀としての役割を完璧なまでに果たしていたと思う。
  • 悪役がいない。悲壮感もない。描かれているのはまじめで実直に仕事に取り組む姿。景色だけではなくそうした人物の描き方がとても美しいと感じた。
  • こんなに見てよかったと思える映画は今までになかったかもしれない。DVDが出たら買って手元に置いておいて、節目節目で何度も見ることになると思う。