全快への願い

  • 2人部屋で同室だったのは、20代後半の女の子。私と同じ日に入院したのだけど、病院に慣れている様子。カーテン越しに聞こえる医師や看護師さんなどとの会話から、抗がん剤治療を受けていることがすぐにわかった。
  • 副作用の吐き気にずっと苦しんでいた。抗がん剤の副作用について漠然とした知識はあったけど、目の当たりにして、ベッドを隣にしながらどう接していいのかわからず始めはとまどった。
  • 私の術後の容態が落ち着いた頃、「もし話していたほうが気が紛れるとか楽とかだったら、遠慮なく言ってね」と声をかけ、そこからいろいろ話すようになった。彼女も最初は私と同じ皮様のう腫と診断され、腹腔鏡手術を受けたとのこと。術前検査の結果から、先生もご自身も良性と信じていたが、病理検査の結果悪性の結果が出て開腹手術によって卵巣を摘出、抗がん剤治療を行うことになった、と。4クール実施することになっていて、現在は2クール目だと。
  • 検診で最初にのう腫が見つかったとき、「ガンが隠れているかも」と言われ、とても不安だった。腹腔鏡手術が終わって、これで普通の生活に戻れると信じていた矢先の宣告。彼女のショックと不安を思うと、胸が締め付けられそうだった。
  • 昨日の昼食時、病室で話しながら食事していたら、「話しながらだったんで、いつもよりたくさん食べられました」と声に少し力が戻ってて私もうれしかった。午後は彼女の点滴中、ずーっとおしゃべりしてた。「楽しい話題ばかりで時間が早く経ったみたいで助かりました」と。私にできるのはホントにこのくらい。
  • 退院の時、メールアドレスを書いたカードを渡して、「全部の治療が終わったら一緒に飲みに行こうね」と約束。自分の病理検査の結果が出るのは1−2週間後。その無事ととともに、彼女の全快を心から願わずにはいられない。