ギエムの肉体美

  • シルビィ・ギエム "最後の"『ボレロ』」を鑑賞。2時間半の公演で、「ボレロ」は最後の15分ほどだけど、それだけでも観に行ったかいがあったと思う。
  • ラッキーにもかなり前の方の席だったので、顔や身体の表情がハッキリ見えた。スポットライトがあたった手の動きだけから始まった演技は、音楽の盛り上がりにあわせて全身の躍動へと移り変わっていく。躍動感溢れる演技に、すっかり惹きこまれた。凝った衣装も道具もなく、ただ身体のみでの表現。素敵、素晴らしい、感動。それ以外の言葉が見つからない。
  • 踊りそのものはもちろんそうだけど、印象に残ったのは背中の筋肉の美しさ。鍛えられた身体って、それだけで芸術と呼ぶに値するかも。
  • 残念だったのは、音楽が生演奏ではなく、テープだったこと。一緒に行った彼曰く、「テープだということを差し引いても、あの演奏はないなあ…… 何が悪いって、楽器を吹きすぎ。だから繊細な表現がしきれてなくって、群舞の男のダンサーの動きがそれに引きずられて動きが雑になってるんだよなあ・・・ギエムの踊りはすごいけど、それを音楽がぶち壊してる。バレエは総合芸術なんだから、その辺もっと考えて造らないと。」と厳しいお言葉。 さすがに専門家は気にする(というか、気になる)ところが違うのね。