過渡期の壁

  • 2週間に1回の部会で、1人のメンバーから問題が提起された。

「他グループの人が○○の件で情報が共有できていない、という不満を耳にしました。ですから、それがちゃんとその情報が行き渡るよう、ルール化する必要があると思います。」
「良い提案だね。どう対策すればいいと思う?」と、上司。
「我々は外出していることが多くて連絡がとれないことが問題だと思うんですよ。だからグループ内に常駐者をおいて、その人に管理してもらうのが一番良いと思います。」
「それだけでは、新しく人を置く、という理由としては乏しいな」
「じゃあ、当面はたぁさんにお願いできますか?」
「それはいいけど、それだと私が元の業務に戻ったときにもう一度同じことを話しあわなくてはいけなくなるんじゃないですか?」

何かあると、すぐに「じゃあ、たぁさんは社内にいるから・・・」と、それだけの理由で私に仕事が振られる流れになることが一番心配だった。みんな忙しいから何とかしたいと思うのだろうけれど、それでは根本的な対策にはならない。

  • 欲しい情報があれば、同じフロアーにいるのだからちょっと足を運んで聞けばいいし、いざというときには携帯電話の番号だって公開されている。ちょっと動けば事足りること。本当に問題意識があるのであれば、週に1回複数のグループ合同のミーティングが開催されているのだから、そこで不満のある本人が関係者に一言注意を促すなりすればいい。
  • 何かうまくいかないことがあるとすぐに「ルール化を」というのは、あまりよくない流れだと思う。決まりごとが多いとそれに縛られて余分な工数が増えたり、動きにくくなることがある。
  • 今回のことは、ルール云々という前のコミュニケーションの問題だと思う。私たちのグループの担当者からは関係者へ積極的に進捗情報を提供するようにしよう、わからないことがあれば気軽に担当者へ問い合わせをしよう、ただそれだけのこと。
  • 会議の後で上司と2人で話したときに「要するに、双方のグループがお互いにもう少しずつ思いやりを持てばすむことなんだよね。」と言ってた上司の言葉に、まったく同感。 業務が増え人が増えてグループが分割されて間もないため、上司自身がまだまだ混乱している様子。
  • 組織が大きくなるとき、どうしても避けられない問題や壁がこれからも出てくるだろう。そういう機会を渦中で体験できるのはいい勉強になるだろう。と、前向きの気持ちがないでもないが、本業以外のゴタゴタはできる限り避けたいな、というのが本音。